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第1回 若手科学者によるプラズマ研究会
主題:プラズマ粒子制御 平成10年1月21〜23日開催 サマリーセッション:
本研究会で行われた各発表では、対象としているプラズマの密度・温度、時間・空間スケ−ル、制御・測定する物理量が非常に広範囲にわたるものであった。本研究会の趣旨である「異なる分野間での議論を通じて共通の物理の理解及び各研究の応用の幅の拡大を目指す」上で、各研究の関連性が読み取れるように、各研究発表を以下の観点からまとめた。
表から分かるように、今回議論を行なったプラズマパラメータの領域は、非常に広範囲にわたった。主題に係わる密度に着目すると、太陽プラズマや直線磁場装置プラズマ等における1014〜1016/m3の低密度から、磁場閉じ込め核融合実験プラズマの1018〜1020/m3、そして慣性核融合プラズマの1026/m3に達する高密度まで、密度領域としては1012の幅を持っている。電子温度に関しても、数eVから〜10keVまで104の幅を持つ。扱っている現象の特徴的な時間スケールもpsからdayのオーダーまで、また空間スケールも数ミクロンから10万kmまで、極めて広い。プラズマである以上その輸送や乱れが磁場や電場の構造に左右されることは当然ではあるが、あらためて、包容力と切れ味に優れたプラズマ物理学の発展を担いたいというのが、出席者全員の想いとなった。理解の進展という点に関しては、磁気閉じ込めプラズマにおける電場の役割を挙げることができる。磁場に垂直方向、または平行方向の電場を加えた場合の粒子輸送を扱う研究が多く発表され、トカマク装置やヘリカル装置での閉じ込めあるいは、ダイバータ機能制御等との関連に注目が集まった。また、不完全電離状態や原子/分子(単純なものから巨大分子まで)過程の理解がプラズマ粒子制御に極めて重要であることも共通の認識となった。会議を通じて、パラメータ領域が異なるプラズマを横断的に扱う協力や互いの成果の応用に関する協力の可能性を議論することができた。具体的には、名大のダイバ−タプラズマ模擬実験装置とLHD・JT-60U・JFT-2Mのダイバ−タ研究、姫工大のコンパクトトロイド入射のJT-60Uでの密度制御への適用、東北大の直線型装置と筑波大ガンマ10に共通するミラ−磁場中での電場と粒子閉じ込めの関係、京都大のSOL電流制御によるダイバ−タプラズマ制御に関するシミュレ−ションとJFT-2Mダイバ−タバイアス実験、等が議論された。これを機に今後広い分野間での議論・研究協力によりプラズマ粒子制御研究が進展することを期待できる。
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