ブランケット概念
ブランケットは核融合炉の燃料となるトリチウムの生産に加え、発電プラントへ熱を供給する重要な機器です。定期的(2, 3年毎)に交換する機器なので脱着が容易でなければなりませんが、炉内機器に作用する強大な電磁力に耐える強度も求められます。また、厳しい中性子照射に対する耐性も求められます。これら多くの要求を同時に満たさねばならないブランケットは、設計泣かせの機器ともいえます。
SlimCSではブランケットに働く電磁力支持のしやすさを考慮して、交換ブランケットはトロイダル方向に長い形状としました。ブランケット両端の板バネで電磁力による回転力を抑えると共に、固定座(遮蔽体)との熱膨張の差を吸収します。
交換ブランケット内部の発生熱(核発熱)はトロイダル方向に流れる冷却水で除熱します。トリチウム増倍率を高めるため、トリチウム増殖材(リチウムセラミックス)と中性子増倍材(ベリリウム)を交互に配置する多層構造としました。