ダイバータ概念
炉心プラズマから散逸するエネルギーの大部分は、プラズマを取り巻くスクレイプオフ層を経由して最終的にはダイバータ板へと到達します。この熱流束はあまりに莫大であるため、そのままダイバータ板に直撃させた場合生き残る材料はありません。
この問題の解決のためには、ダイバータ領域に燃料ガスや不純物ガス(Arなどの希ガス)を吹きかけて、熱流の大部分をダイバータ板の手前で放射させて散らす方法が有効です。
SlimCSでは、外側ダイバータを「V字コーナー型」としてダイバータ板の手前にガス溜を作り効果的にダイバータ放射を促進する概念を採用しました。シミュレーション研究の結果、原型炉のダイバータ設計を成立させるためにはこの技術が重要であることが明らかになりました。