核融合エネルギー研究開発部門
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JT-60、プラズマの乱れの抑制に成功
− ITER方式の高周波入射システムを開発、有効性を実証 −
平成13年5月24日
日本原子力研究所

 日本原子力研究所(理事長 村上健一)は、臨界プラズマ試験装置(JT-60)を利用し、国際熱核融合実験炉(ITER)で計画されている高周波入射方式を採用して、プラズマ中の磁気的な乱れの抑制法を世界で初めて実証した。

 将来、小型で高出力の核融合炉を実現するには、高いプラズマ圧力(温度×密度)を実現し、これを連続して維持することが必要となる。しかし、プラズマ圧力が高まるにつれてプラズマ中の狭い領域に磁気的な乱れが発生し、プラズマ圧力が低下する可能性がある。このため、ITERにおいては、磁気的な乱れが発生した領域に高周波を入射し、集中的にプラズマ電流を流すことによって、この乱れを抑制することを計画している。しかし、これまでITERを模擬した高周波入射方式での実験的なデータは得られていなかった。

 原研では、JT-60において、ITERと同じ高周波入射方式を採用し、狙いとする領域に高周波を精度良く入射するための可動アンテナを含んだシステムの開発を進めてきた。このほど、開発した高周波入射システムを用いて、JT-60の高性能プラズマで発生した磁気的な乱れを抑制する実験に成功した。これは、ITERと同じ高周波入射方式で磁気的な乱れを抑制できることを示した初めての成果である。

 今回の研究成果は、ITERにおいてプラズマの磁気的な乱れを抑制できる見通しを得るとともに、核融合炉の高出力化への一つの道を拓いたものであり、世界の核融合研究開発へ大きく貢献するものである。