核融合エネルギー研究開発部門
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JT-60負イオンNBI装置、30秒連続入射に成功(平成20年6月3日)
JT-60負イオン源中性粒子入射加熱(N-NBI)装置において、世界で初めて、2MWを超える中性粒子ビームを30秒間連続して、JT-60炉心プラズマに入射することに成功した。
これまで本装置は負イオン源の電極の熱負荷の増大により長パルス化を困難なものとしていた。この解決のためには、熱負荷の原因であるイオンの直接衝突を抑制する必要があった。
熱負荷を実測するとともに3次元ビーム数値計算を行った結果、イオン源の直接衝突の原因は図1に示すように、電極の周辺部で生成されたビームが付近の電界で反発され、外側に拡がるためであることを明らかにした。この対策として、電極周辺部に電界補正板を設置し、電極周辺部のビームの拡がりを抑えることに成功した。この結果、電極の熱負荷を長パルス運転時の許容値(500kW)以下に低減することができた。
この対策により、イオン源1台当たり2MWを超えるビームを、世界で初めて、30秒間連続して入射することに成功した(図2)。この時の電極の冷却水の温度は約25秒で飽和しており、100秒入射が要求されるJT-60SA用負イオン源の熱設計への見通しが得られた。
ここで得られたパルス幅はN-NBI装置の定格の3倍に相当し、JT-60設備の安全性から決められている加熱許容時間によって制限された。今後、イオン源2台を同時に運転し、N-NBI装置の電源設備の限界値である100MJ入射を目指す。
図1 ビームレット偏向 図2 負イオンN-NBIの長パルス化の進展

粒子ビーム加熱システム開発グループのメンバー